商業手形が流通するシステム
商業手形とは、商品をめぐる商業取引において、支払いのひとつの手段として利用される有価証券です。
つまり、商品の代金として支払われるべき現金と同じ価値を持つということです。
ではなぜ商業手形が利用されるかと言うと、支払いのタイミングを調整できるからです。
現金での取引とは異なり、商業手形を利用すると支払期日を都合に合わせて決められます。
資金繰りのタイミングによっては、どうしても現金が用意できない前提で取引を行わなければなりません。
そんなときに、決められた将来の日付で支払いを行うことを約束して、商業手形を利用します。
商業手形に記載されるべき項目もチェックしておきましょう
実際には、商業手形には約束手形と為替手形の2つの種類があります。
ここでは、一般的な商業取引で使用されている約束手形についてご紹介しましょう。
約束手形に記載されなければならない項目には、以下の項目があります。
①振出人に関する情報(社名と代表者、住所、社判や捺印が必要)
②約束手形の振出日
③約束手形の受取人に関する情報
④支払期日
⑤支払地と支払場所
⑥金額
⑦約束手形の文字
⑧支払約束の文句
なお、額面が10万円以上となる場合には、金額に応じて印紙を貼付しなければなりません。
①~⑤の情報は、必ず記載されていなければなりません。
もしも要件に不足がある場合には、手形が不渡りとなり現金化することはできなくなりますのでくれぐれもご注意ください。
手形が不渡りになるケースは?
ここで、商業手形が不渡りとなるケースについて整理しておきましょう。
ご紹介したような、手形の形式に不備がある場合には「0号不渡り」となります。
振出人が破産をするなどして支払期日までに資金を用意できなかった場合もこれに当てはまります。
上記のような事情がなく、資金不足によって資金を用意できなかった場合には、「1号不渡り」となります。
そして、詐欺や契約不履行などの理由で成立しない場合には、「2号不渡り」とされます。
いずれにしても商取引が成立しなくなり、トラブルのもととなりますので、誠実な対応を怠らないようにしましょう。