商業手形で延滞金が発生するのは、どういった場合?
商業手形とは、商取引の支払いなどにおいて利用される決済方法のひとつ。
小切手と異なり、券面に記載された支払期日まで原則として現金化することはできません。
手形を発行した当事者を振出人と呼びますが、振出人は手形に記載された支払期日までに、当座預金口座に入金を行います。
もしも期日までに入金を行えない場合には、不渡りを出してしまいます。
手形が不渡りになると、振出人に対して不渡届が発行され、制裁措置をとられます。
6か月のうちに不渡りを2回出してしまうと、銀行との取引において大きな制限を受け、場合によっては資金繰りに大きなダメージを与えかねません。
つまり、一般的な商業手形の取り引きにおいては、延滞金が発生することはありません。
手形取引において延滞金が発生するのは、いわゆる手形貸付の場合です。
では、手形貸付とはどういう手続きなのでしょう?
手形貸付とは、金融機関に対して手形を発行することで、金融機関から融資を受ける方法です。
銀行などの金融機関が行っているメジャーな短期の融資方法のひとつで、一般企業でも手形貸付を利用して一時的な運転資金としたり、ボーナスなどの支払いにあてたりします。
銀行などの行う手形貸付の場合、返済期間は6か月から1年程度。
一方、民間の貸金業者においては、3年間という長い期間を設定していることもあります。
手形貸付では、券面に記載された支払期日に返済を行わなければなりませんが、なかには期日に返済を行えないといったこともあり得ます。
返済できないのであれば、手形の期日の書き換えを相談しなければ、手形が不渡りになるのではないかと思われますが、手形貸付の場合にはすぐに不渡りにはなりません。
というのも、こういった手形貸付では、融資を行う金融機関の発行した手形が利用されるのが一般的ですので、自らが発行した手形について手形交換所で交換依頼をしないからです。
そうではなく、期日の書き換えを行うとともに、当初の期日以降の延滞金を支払うことで調整をすることになるでしょう。