落ち込みとはどういうこと?
手形などの経理的な処理を行ううえで、落ち込みという言葉を耳にすることがあります。
これは、どういった意味なのでしょうか?
簡単に言うと、対象となる資金が入金したこと、あるいは出金したことを表す言葉です。
つまり、入金・出金の処理が完了したというステータス、いわば決済完了のことです。
それでは、商業手形の落ち込みとは?
この場合、一般的には受け取っていた商業手形に記載されている支払期日に、振出人の当座預金口座に入金された資金が、手形交換所を経由した手形をもとに決済され、受取人の口座に入金されたことを意味します。
逆に言うと、振出人の立場においては、支払期日に当座預金口座から出金され、これを経理的には“手形の落ち込み”という表現で使われます。
また、商業手形の場合は支払期日を待たずして現金化することを“手形割引”と呼びます。
ただし、支払期日までの日数に対して金利が適用されますのでご注意ください。
この場合においては、“割引手形の落ち込み”という表現が使われますが、これは先に第三者によって資金化された手形は、第三者に渡って(譲渡されて)いる訳ですから、手形交換所へ経由させた第三者へ「割引した手形は落ち込んでいますか?」と言うように使います。
資金繰りのために賢く利用したい手形割引
先述したように、商業手形は落ち込み日(支払期日)に先立って現金化することが可能です。
ただしその際には、落ち込み日までの日数分だけの金利を差し引かれます。
手形割引をして現金化しても、落ち込み日まではリスクを抱えていることを頭にいれておかなければなりません。
どういうことかと言うと、もし落ち込み日(支払期日)に手形の振出人の当座預金口座に資金がなければ、その手形は不渡り手形になってしまうからです。
不渡りになってしまうと、手形割引をして現金化した者は、第三者から買い戻し請求をされます。
そのため、商業手形の利用にあたっては、手形の振出人は適切に処理をする義務があり、受取人や手形を割引く第三者は決済されるかについてもモニタリングを欠かしてはいけないということです。