日本銀行とはそもそもどんな存在?
一般の消費者にとって、日本銀行はほかの銀行とは異なります。
まず、個人の預金を受け付けていないのです。
それでは、日本銀行はどういったことを行っているのでしょうか?
まずは、紙幣を発行するということ。
千円札、5千円札、そして1万円札を発行しています。
そして、政府のための銀行としての機能もあります。
国民のおさめた税金や、国債を購入した代金など、政府に集まったお金は、政府の委託を受けた日本銀行に入金されます。
さらに、日本銀行はほかの銀行のための銀行としても存在しています。
各銀行の預金の一部を当座預金で預かり、日本銀行がほかの銀行への貸し付けを行う際に利用しています。
日本銀行の基準割引率ってなんのこと?
上にご紹介した日本銀行の働きのうち、日本銀行がほかの銀行に貸し付けを行う際に適用される基準金利のことを、「基準割引率および基準貸付利率」と呼んでいます。
この基準金利はかつて、公定歩合と呼ばれていました。
簡単にご説明すると、これらは日本銀行がほかの銀行に融資を行う際の金利のことで、それぞれの銀行はその金利に少し上乗せをしたうえで、個人や法人への融資を行います。
かつての日本では、公定歩合にあわせて預金金利などの金利が変動していました。
そのため、公定歩合が上がると市中の金利も連動して上昇するという具合で、まさに「規制金利」の時代でした。
ところが、金利の自由化が完了することで、かつての公定歩合は基準割引率および基準貸付利率と名称を変え、市中の金利をコントロールすることはなくなりました。
現在では、金利を左右するのは金融マーケット自体の裁定行動です。
では、日本銀行の商業手形の基準割引率とは?
割引手形は銀行などの金融機関が割引人となって成立します。
ただし、不測の事態があって振出人が支払いを行えなくなるような場合には、商業手形が不良債権になりかねません。
そういった場合のリスクに備えて、銀行の行った割引手形に対して、日本銀行が再割引を行うケースがあります。
そのときに適用されるのが、日本銀行の基準割引率です。