手形を譲渡担保するというのは、どういうこと?
商業手形の決済方法には、3種類の方法があります。
スタンダードな方法は、自分の銀行口座に手形を入金し、手形に記載された支払期日まで待って現金化されるのを待つ方法。
2番目は、受け取った手形を取引銀行に持ち込み、取り立てを依頼して支払期日に取り立てが実行されるのを待つ方法です。
これら2つの方法は手形の支払期日まで待ってから現金化するという方法。
3番目は手形割引と言われる方法で、支払期日まで待たずに手形を現金化するやりかたです。
一方、手形の譲渡担保は、これら3つとは異なります。
簡単にご説明すると、手元にある手形を担保にして、新たに借り入れを行うという方法。
つまり、手形を現金化するというのとは違うことがお分かりいただけるでしょう。
手形の譲渡担保と手形割引、どう違うか分かりますか?
手形の譲渡担保と手形割引については、どちらも現金の必要なタイミングで行うことができます。
その点で、これら2つの方法は似ています。
ところが、細かく見ていくと、大きな違いがあります。
まず手形割引は、現金化をするタイミングから支払期日までの日数分について、各金融機関で設定された金利を支払わなければなりません。
つまり、手形割引は手形を担保として借り入れという点では手形の譲渡担保と同じですが、
手形が決済されるまでの期間について、手形の全額面に対する金利が強制的に計算され、割り引かれるのです。
一方、手形の譲渡担保においては、借り入れを行う金額と返済期日をフレキシブルに選択可能。
借り入れを行えるトータル金額はもちろん手形の範囲内である必要はありますが、最低限必要な金額だけを借り入れることができるのは、とても使い勝手が良いのではないでしょうか。
また、手形割引では券面の支払期日までの金利を支払うよう強制されますが、譲渡担保では入金予定に合わせて返済期間を自由に設定できます。
これらの理由により、手形の譲渡担保はより現実的な資金化方法と考えていいでしょう。