為替手形と約束手形の違い、分かりますか?
商業手形には、為替手形と約束手形の2つがあります。
それぞれの違いについて、どれだけの方がご存知でしょうか?
分かりやすく説明しましょう。
為替手形には3人が登場し、約束手形には2人が登場します。
為替手形に登場するのは、手形を振り出す人(A)、手形を受け取る人(B)、そして手形を支払う人(C)。
一方、約束手形の場合には、手形を振り出す人(A)、そして手形を受け取る人(B)のみです。
なんとなくイメージができたでしょうか?
具体的な名称としては、Aのことは振出人、Bのことは受取人あるいは指図人、そしてCについては支払人や名宛人、引受人と呼びます。
つまり、為替手形の取引においては、支払人や名宛人が加わっているのです。
支払人はなにをする人?
では、為替手形にだけ登場する支払人(C)とは、どういった存在なのでしょうか?
こう考えてみましょう。
AはBから商品を購入し、支払いにあたって手形を発行します。
本来であれば、Bの手形についてはAが支払期日までに当座預金に入金をすることで支払いますが、為替手形の場合は違います。
ここでCが登場するのです。
AはCに商品を販売し、Cから支払いを受けることになっていました。
そこで、AはCに相談し、AがBに支払うべき金額をCに代わりに支払ってもらい、その金額分だけCがAに支払う金額を減額することで対応します。
これが為替手形の取引です。
つまり、支払人であるCは、AがBに支払う金額を代理で支払う立場なのです。
少し分かりにくいかもしれませんが、上の関係をひとつずつゆっくりかみ砕いていけば、理解していただけるはずです。
為替手形は一般的な取引ではあまり使われていません
製造販売、小売などの一般的な商取引においては、約束手形を使うのが一般的です。
為替手形がよく使われるのは、輸出や輸入などを行う業界、あるいは資金を取り立てるケースなどに限られます。